誤嚥性肺炎と入れ歯の清掃について

一般社団法人太田新田歯科医師会
医療法人社団 聖医会 田中歯科医院

田中 靖人

#1 誤嚥性肺炎とは疾患や加齢により、ものを飲み込む機能が低下し、口から食道に入るべきものが気管に入ってしまい引き起こされる肺炎を言います。唾液や食べ物、胃液などとともに細菌を気道に吸引することで起こります。飲み込む機能が低下した高齢者や脳梗塞後遺症、パーキンソン病などの神経疾患、寝たきりの患者さんに多く発生します。誤嚥性肺炎は発熱や咳、膿のような痰などの典型的な肺炎の症状が少なく、何となく元気がない、食欲がない、のどがゴロゴロするなどの症状のみが多いことが特徴です。

しかし、#2 誤嚥性肺炎は我が国の死亡原因の6位になるおそろしい疾患です。

この、誤嚥性肺炎の予防には
①禁煙
②摂食嚥下リハビリテーション
③口腔ケア
④肺炎球菌ワクチンの接種

がおこなわれます。

誤嚥性肺炎の予防の中で口腔ケアの一環として行われる、今からできる入れ歯の清掃についてお話します。

もし今、これをお聞きの方で入れ歯を装着している方がいらっしゃいましたら、入れ歯を外して触ってみてください。もし、ヌメヌメしているところがあれば要注意です。

#3 入れ歯のヌメヌメは細菌が集まってできたバイオフィルムであり、台所や風呂場の排水溝のヌメヌメと同じものです。このヌメヌメが口の中に入っているだけでなんだか病気になりそうです。このヌメヌメは洗い流すだけではなかなか取れず、こすり洗いが必要です。

#4 正しい入れ歯の洗い方は、入れ歯用のブラシと入れ歯用の歯磨き粉でこすって汚れを落とします。通常の歯磨き粉は研磨剤の影響で、入れ歯がすり減ってしまうので使わないでください。こすり洗いの後に入れ歯洗浄剤でつけおき洗いをします。一晩、つけおき洗いののちに、入れ歯を流水下でよくすすぎ、口の中に装着します。

#5 口の中が不潔になっていると認知症が起こりやすくなることが最近の研究で明らかになってきています。下着も一日一回は着替えて洗濯するでしょう。ぜひ入れ歯も毎日きれい洗い、清潔の口を保ち、健やかな日々を過ごしていただければと思います。

入れ歯の汚れがたまっていて、なかなかきれいにならない、ヌメヌメが落ちずに心配な場合は、かかりつけ歯科医院にご相談ください。太田新田歯科医師会では訪問診療を行っています。ご来院が難しい方はご相談ください。

 

#1 一般社団法人 日本呼吸器学会

#2 厚生労働省

#3 大阪市立大学大学院医学研究科 細菌学

#4 公益社団法人 日本補綴歯科学会

#5 神奈川県歯科医師会