お子様の矯正歯科治療開始のタイミング

自立支援医療機関 顎口腔機能診断施設

ファミリー歯科・矯正歯科クリニック

伊谷野 秀幸

雑誌における矯正歯科治療特集やインターネットの矯正歯科治療サイトをみて、幼児期(生後1年から学齢に達する6歳までの期間)にお子さんの歯並びを心配してカウンセリングを受けられる方が増えています。「大人になってからの矯正治療で永久歯を抜歯する治療を避けるために、乳歯のみの時期から治療スタートしましょう」というフレーズを見て、ご両親の恐怖心はピークに達してしまうようです。ほとんどのケースの場合、お母さんが自分自身を責めている様子が多く見られます。カウンセリングにおいてご両親に「まだ、今の時期では早すぎます。治療は必要ありません。心配しなくても大丈夫。治療が必要な時期になるまで経過を見ていきましょう。」とお話をすると自責の念から解き放たれ、安堵の表情をうかべ帰宅されます。

そこで、今回は解りにくい子供の矯正治療のタイミングについて解説したいと思います。子供の矯正歯科治療は専門性が高い医療機関ほど「第一期治療」と「第二期治療」の2段階で治療を行います。前歯と6歳臼歯(第一大臼歯)のみが永久歯になっている時期(8~10歳ころ)に始める矯正治療を「第一期治療」といいます。また、「第一期治療」のあと、全ての歯が永久歯に生えかわった時期から、「第二期治療」として、ブラケットという装置を歯の1本1本に着けてワイヤーで治療をする場合があります。「第一期治療」から始めることで良い治療結果が得られたり、患者さんの負担を軽くできたり、また永久歯の抜歯をせずに治療を終了できる可能性が高まります。

成長期にある子供の矯正歯科治療を行うかを判断する時期は、「歴年齢が7歳になっていること」と「前歯と6歳臼歯(第一大臼歯)のみが永久歯になっていること」です。この時期に不正咬合があった場合は、カウンセリングを受ける必要があります。その後、治療時期を不正咬合の症状を考慮して決定します。症状の違いによる治療開始時期は叢生(乱ぐい歯)の場合は7歳くらい、下顎前突症(受け口)の場合は7~8歳くらい、上顎前突症(出っ歯)の場合は9~10歳くらいから治療を始めるのが最も効果的に治療が進められます。したがって幼児期はまだ「第一期治療」を行うか判断する前の時期なのです。

矯正歯科治療の開始を時期するに際して、私は心の発育も考慮する必要があると思っています。お子さんが7歳の頃は小学校に通学を始める時期です。お子さんの生活環境は著しく変化しており、矯正治療を行うには小学校生活に慣れていることが必要と考えます。最もよい時期に治療を始められるように、お子様の歯並びやかみ合わせについて、7歳になったら矯正歯科専門ドクターの診察を受けて、治療を受ける本人、ご両親、ドクターの3者で治療時期をよく検討することが大切であると思われます。

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