トウースウエアーについて

トウースウエアーとは、あまりなじみのない言葉だと思いますがこれは、歯が摩滅、消耗酸蝕することでいわゆるむし歯ではない歯の実質欠損の総称です。
このツウースウエアーの酸蝕が近年増加しつつありむし歯、歯周病に次ぐ第三の歯科疾患として注目を集めています。 酸蝕とは酸によって化学的に歯が溶けてしまうことをいいます。
前歯で酸蝕がおこると歯の表層にあるエナメル質という硬い層が薄くなり半透明になってきます。

さらに進むと(チッピング)といって先が欠けたりします。
奥歯では咬み合せの面に杯状の陥凹が生じます。
金属の詰め物などをした場所は、そこだけ取り残されて周りが凹んできます。
最後は詰め物も脱落してしまいます。
さらに進行すると、エナメル質の下にある象牙質が出てきて最後は歯髄まで露出してしまいます。

酸蝕の原因には、内因性と外因性があります。
内因性のものには、胃酸が関連しています。
いわゆる胸やけなどの症状をはじめとする胃食道逆流症や過食症や拒食症のような摂食障害などの疾患や薬物やアルコールの作用による嘔吐が歯に接触する事で歯が溶けてきます。

外因性によるものは、飲食物に由来するものです。たとえば酢.柑橘類、清涼飲料などです。
歯の酸蝕の予防で内因性によるものは適切な医療機関への紹介が必要となります。

外因性によるものは、どの飲食物が原因になっているかを理解し摂取量を減らしたり、摂取方法を変えるなどする また日常的なセルフケアとして

①フッ化物の使用
②ブラッシング時の注意(酸性飲食物を摂取した後すぐに歯ブラシをしない)
③寝る前や長時間にわたって酸性の飲食物を摂取しない。

酸蝕の治療は、早期のものであれば白い詰め物などで簡単に治りますが、重度のものは、歯の咬み合わせが下がってしまい差し歯などを入れるためのスペースがなくなってしまう場合もあるので困難な場合があります。