FM太郎

H.24.5.15

 こんにちは。本日は、歯磨きの話をしたいと思います。

歯磨きに使う道具といえば歯ブラシですが、他にも歯間ブラシや、デンタルフロス(糸ようじ)等、いくつかの道具があります。今日は特にデンタルフロスについてお話ししたいと思います。

歯磨きですが、赤ちゃんや小さいお子さんは、お母さんやお父さんに歯を磨いてもらっていると思いますが、大きくなったら自分で歯を磨きます。しかし、歯磨きというものは非常に難しいものなのです。なぜ難しいかというと、口の中が非常に狭いからです。特に奥歯は歯ブラシが届きにくい部位です。それから、歯と歯の間や歯の裏側は、歯ブラシをしっかりあてて磨くことがとても難しい部位です。逆に言うと、簡単に歯を磨ける部位というのは非常に少ないということになります。
ですから、半年に1回あるいは1年に2.3回は、痛くなくても歯科医院を受診して、虫歯の有無、歯肉の状態など、口腔内全体の状態を定期検診することが重要です。
しかし、検診を受け虫歯の治療や、歯周病の治療をしても、それだけではまた虫歯や歯周病の治療が必要になってしまうことがあります。そうならないためには、しっかりと汚れが取れるよ
うに上手に歯磨きをすることが重要です。そして、しっかりと汚れを取るために必要なものがデンタルフロス(糸ようじ)です。
歯というものは、前歯では表と裏、隣どうしの面と四つの面があり、奥歯はさらに咬み合う面の五つの面があります。咬み合う面や表側と裏側は、歯ブラシをあてて磨くことができますが、隣どうしくっついている横の面は歯ブラシが届きません。その為、歯と歯の間の虫歯や歯肉炎が非常に多くみられます。そこで、デンタルフロス(糸ようじ)を使用し、しっかりと汚れが取れるような上手な歯磨きをすることによって、虫歯や歯周病を予防します。

それでは、デンタルフロス(糸ようじ)の使い方になりますが、はじめにフロスが30㎝~40㎝くらいの長さを目安に長めに切ります。そして、中指の間隔が10~15㎝になるように、片方の中指(第一関節)に2、3回、残りは別の中指(第一関節)にゆるめに巻きつけます。
フロスの持ち方は、両手の親指と人差し指で、指の間隔が1~1.5㎝を目安にフロスの糸がピンと張るように押さえます。
上の前歯の場合は、片方の親指を上に向けて、別の人差し指で少しひねるようにして押さえます。
下の前歯の場合は、両手の人差し指を下に向けて、押さえます。
上の奥歯の場合は、両手の人差し指を上に向けて、押さえます。
下の奥歯の場合は、両手の人差し指を下に向けて、押さえます。

フロスの仕方は、歯面に沿って、のこぎりの刃を引くようにゆっくり動かしながら、歯と歯が接触している部分を通過するまで少しずつ入れます。取り外す時も同じようにゆっくり動かしながら行います。
つぎに、歯と歯が接触している部分を通過したら、(歯に巻きつけるように動かしながら)歯肉溝の中に少し入れます。この時歯肉を傷つけないように注意してください。

そして、上下へと動かしながら歯の側面をこすります。歯の両側面をしっかりとこすります。
汚れたフロスにはプラークがついているので、一か所おわるごとに中指に汚れた部分を巻き付け、清潔な部分を送り出して使います。

ある調査によると、フロッシング効果として、歯間部のプラーク(歯垢)除去率が歯ブラシだけでは約58%しか取れなかった歯間部のプラークを、フロスを追加使用することで約86%まで取り除けることがわかりました。さらに、2週間のデンタルフロス使用により、歯間乳頭部からの出血量が4割減少したという事もわかりました。
少しむずかしいとは思いますが、使い方がわからない場合は、歯科医師、歯科衛生士に相談していただき、自分で正しく使えるようになるまで、繰り返しフロス指導を受けましょう。