「歯の数が減っている?

きむら歯科医院
木村博昭

最近、診療をしていて思うのですが、日本人の歯の数が少なくなって来ているのではないか?
特に若い人の歯数が少なくなって来ていると感じます。

ところで、歯の本数ってご存知ですか?
現在、永久歯は親知らずを入れると32本、入れないと28本。これが標準的な歯数とされています。歯数が少なくなってきている理由は、いろいろあると思いますが歯としての働きが少なくなってきているのも大きな理由と思います。それは、昔と比べると軟らかい食べ物が多くなったことです。よく噛まないでも食べられる物や「飲む朝食」みたいな食品もあり、全般的によく噛む必要が減ったため、それに伴い歯数も減ってきているのではと思います。一般的に前歯の数が少ない場合が多いのですが、20歳ぐらいの方で上下の第二大臼歯が4本ない方もいました。小学生のお子様の場合、子供と親を不安にさせない様に「現在、噛む働きが少なくなってきているので、歯の数が少ないお子さん多いですよ。もしかしたら○○ちゃんは未来の人間に近いのかもしれません。」と説明しています。歯数が少なくなるということは、人間の進化なのか、退化なのか、よくわかりませんが、50年先・100年先の日本人の「歯」心配ですね。

歯に限らず人間の体は、適度に使わないとその働きが落ちてきます。先日、歯科の往診を担当している病院から連絡があり「入れ歯が入らなくなったので来てください。」という話があり「てっきり、どこか入れ歯があたって痛くて入れておけない。」と思い、往診に行くと「口が大きく開けられないので入れ歯自体が入らない。」という状態でした。看護師さんに状況を聞くと「この2週間具合が悪く点滴だけで生活していた。」とのことでした。ご年配の方でしたので、2週間、口を使わなかったので口の周りの筋肉や機能が衰えてしまい、以前のように口が大きく開けられなくなっていました。

歯や口だけでなく、人間の体は適度に使わないとその機能は衰えるばかりです。

昔から言われていることですが、健康で長生きするには、

「腹八分目でしっかり噛んで食事をし、おっくうがらずに体を動かし、そして十分な睡眠時間で早寝早起。」

大切ですね。