エフエムTARO 2017 放送内容

なぜ歯の治療は時間をかけなければならないのか?

太田新田医師会

おおたモール歯科

院長 八木 大輔

 

なぜ歯の治療は時間をかけなければならないのか?

 

患者様から、「歯の治療はどうして時間がかかるの?」という質問をよく耳にします。症状にもよりますが、歯医者での治療は複数回必要になります。今回は虫歯を例にあげてその理由についてご説明します。

まず虫歯は進行状況によってC1からC4の4段階に分かれます。癌にステージ4などがあるのと同様に、虫歯にもステージがあります。小さい虫歯は、光で固める樹脂で治せる虫歯です。基本的に1回で治療が終わります。もう少し大きくなると、硬い金属などの詰め物で歯を修復する必要があります。

虫歯菌が神経まで達してしまうと、ステージ3や4になります。痛みが出るのでこのタイミングで歯科医院に来られる方が多いです。神経を処置して歯を覆うかぶせ物の処置をするか、症状がひどい場合は、抜歯の対象になります。

神経というとなかなかイメージしにくいかもしれませんが、身体の動きや感覚をつかさどるとても大切な組織です。その一方、神経は一度ダメージを受けてしまうと、回復するのにとても時間がかかるという特徴があります。身近な例で説明すると、脳梗塞や事故で神経にマヒが出てしまった人はなかなか治らないですよね。

神経はとても繊細な組織なので、入り込んできた菌を自分の力で取り除くことができません。放置すると深いところに菌が侵入し、最終的にはあごの骨まで菌が達してしまいます。それを防止するために、歯科医院での治療が必要になります。

神経に入り込んだ菌は様々な器具や薬を用いて取り除いていくのですが、歯の中はとても複雑な形で枝分かれしているので、状況によっては一回の治療ですべて取り除くことは困難です。そのため薬で菌を殺したり、炎症を収めたりするために時間がかかるため、複数回の通院が必要になります。

また、神経と血管が亡くなった歯は、身体から栄養が送られないことで歯が弱くなってしまい、寿命が約半分になるとも言われています。

歯は、食事、見た目、発音、消化など、日常生活に関係しています。歯がたくさん残っている人ほど認知症になりにくいという研究結果もあります。

虫歯も歯周病も、重症にならないと症状が出ない病気であり、高血圧や糖尿病のような慢性疾患です。歯の異常について早期発見し計画的な治療をすることでご自身の大切な歯を抜歯せずに残すことが可能です。しばらく歯医者さんから遠ざかっている方は、ぜひお近くの歯医者さんに相談してみてください。

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