2011放送内容

「間食とむし歯予防」

 日常の診療の中で患者さんから、「毎食後しっかり歯みがきをしているのに、こんなにむし歯になるのは歯の質が弱いのでしょうか?」という質問をしばしば受けることがあります。これは、様々な条件にもよりますが、歯の質が弱いと言うより砂糖の摂取方法、いわゆる間食(おやつ)の取り方に問題があることが多いようです。

今回は「間食の取り方とむし歯予防」について解説いたします。

 私たちの口の中には様々なたくさんの細菌が住み着いています。中でもむし歯の原因菌と言われているミュータンス菌が主役となり、食べ物の中の糖分をもとに、ネバネバしたデキストランという物質を作り細菌とともに歯の表面にこびりつきます。これを歯垢(プラーク・バイオフィルム)と言い、細菌が生活していく住み家となるのです。その住み家でミュータンス菌が砂糖を分解して有機酸を作り、歯の表面を僅かずつ溶かし初期むし歯ができ始めます。

しかしながら、口の中には常に唾液が存在していて、摂取した糖分を洗い流すとともに、一度溶け出したカルシウムイオン成分を歯に再吸着させる作用があります。このように、歯の表面で溶解と再吸着が繰り返されながら行われるため、むし歯に進展せず歯質が保たれています。そして、この一連の作用は砂糖摂取後約三十分の間に起こると言われています。

むし歯はこの均衡が破られ溶解に対して再吸着が追いつかなくなると、少しずつ穴が開き始めてむし歯になっていくのです。つまり再吸着する前に再度砂糖を摂取するとむし歯が徐々に大きくなってしまいます。以上の事から、むし歯予防は間食の取り方がキーポイントとなります。

おやつの‘ダラダラ食い’などはむし歯になりやすい一因となります。お子さんがお菓子やジュースを飲みながら遊んでいたり、砂糖の入ったコーヒーなどを飲みながら勉強や仕事をする姿を見たことがありませんか?

むし歯予防のためにこのような間食の取り方は改善しましょう。

 

                太田新田歯科医師会

                     梅澤 義一

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