お口の中を見てみよう

口の中は、普段見ているようであまり見ていない方が多いのではないでしょうか?
今日は、お聞きの皆さんに是非ご自分の口の中をよく見ていただきたいと思います。特に最近歯科医院に、行かれてない方は要チェックです。
今、車の運転や手が離せない方は、良く聞いてあとで見てください。
では鏡の前で、まずは舌を出してアッカンベ~をしてみましょう。舌の色はどうですか、薄いピンク色が理想です。小さいザラザラした感じは味ライといって味を感じる所です。もし大きめなデキ物や、ぐちゅぐちゅしているデキ物、変に黒っぽい、真っ赤など、他にも気になる所があれば、歯科で診てもらいましょう。
舌に黄色い物がこびり付いている事があります。舌の苔と書いてゼッタイと言います。ゼッタイは古くなった組織、食べカス、細菌の塊です。口臭の主な原因にもなります。専用のブラシもありますが、良く濡らした歯ブラシで痛くない程度でこすって綺麗にしましょう。
次に歯を合わせてイ~をしてみましょう。歯ぐきを見てみましょう。こちらも薄いピンク色が理想です。赤く腫れていたり、歯ブラシの時に同じ所から出血していたら心配ですね。良い歯ぐきは、良く見るとスティップリングといってミカンの皮のようにツブツブしています。引き締まっているということです。

また口を開けてみましょう、歯の根元の周りに黒い、もしくは軽石のような歯石がある方はもう歯ブラシで落ちませんので歯科でとってもらいましょう。そして穴があいている、あいていなくても最近甘い物、冷たい物に妙にしみる、噛むと痛む場合は、歯の間など見えない所で虫歯の可能性もあります。
入れ歯をしている方で、ご自身の歯がある所で特に金属等のバネがかかる歯は特によく見てみましょう。
今日は、本当に簡単なセルフチェックの仕方をお話しました。今日の話を聞いて該当する方や、これ以外にも、気になった方、心配になった方は早めに歯科医院に行って詳しく診てもらいましょう。
また、大丈夫かなと感じた方も定期検診を受けていきましょう。

虫歯・歯周病予防に効果的な歯磨き

日本人の歯磨き回数を調べた調査によると12回以上歯磨きをする人は昭和44年では約2割でしたが平成17年には約7割に増加しました。
しかし虫歯を持つ人の割合は
524歳では減少傾向にあるものの、25歳以降では横ばいなのです。諸外国に比べなぜ一生懸命歯を磨く人が増えたのに虫歯は減らないのでしょうか?
これは、
1990年代半ば頃まではフッ素配合歯磨き剤の割合が他の諸外国に比べて低かったというのが原因といわれています。

現在市販で売られている歯磨き粉のほとんどにはフッ素が入っていますので、毎日の歯磨きでどのように歯磨き粉を使うと効果的な虫歯予防になるのかについてお話します。

フッ素の効果は簡単にいうとフッ素が歯に取り込まれ酸に強い歯を作る、虫歯菌が酸を作るのを抑制するという働きがあります。
このような効果が得られるためにはフッ素濃度と比例します。日本では歯磨き粉に含まれる割合が法律で定められているため十分に効果を期待するには1度の歯磨きで使う量が重要となります。
効果的な量としては
1g以上の使用が推奨されています。2cmほどのはぶらしであれば2/3程度が目安です。歯ブラシをする前はフッ素濃度が薄まらないようにお口をゆすがないこと。歯磨きを始めるときは虫歯になりやすい奥歯から磨くこと。歯磨き後は約10cc位の量でお口の中をリンスするようにうがいしましょう。フッ素が歯の表面に定着して効果を発揮するには約2分の歯磨きが必要です。
長すぎてもフッ素の濃度が薄くなってしまうので丁寧にゆっくり磨きたい人は最後の
2分で歯磨き粉を付けて磨くとよいと思います。できれば歯磨きのあとはフッ素効果を維持するために約2時間は飲食をしないことを勧めます。

この方法は虫歯予防に対するご家庭でできる効果的なフッ素の使用法ですが、歯周病の予防では歯と歯肉の間の部分の歯垢の除去が重要です。これらの部分は歯ブラシが届きにくい場所でもあり、歯ブラシの毛先が歯肉に入り込むように45°くらいに当てること、歯間ブラシ、フロスなども併用し丁寧に時間をかけじっくり磨くことが大切です。

毎日の歯磨きもこんな工夫で虫歯、歯周病予防が上がります。ご家庭でできる虫歯、歯周病予防法の第1歩として皆様も今日から試してみてはいかがでしょうか。

 

喫煙と歯周病「タバコを知ろう!吸う人も吸わない人も!」

幸生歯科医院 山田幸生

歯周病とは歯を支えている歯肉や骨に起こる炎症性の疾患です。
歯肉から出血したり、膿がでたりして、重症になると、歯がぐらぐらになり、やがて抜けてしまいます。基本的には、細菌による感染症です。
しかし、発症や進行には、多くの危険因子が関与しています。例えば糖尿病などの全身疾患、ストレス、歯ぎしり、くいしばりなどの咬合習癖、女性ホルモンの変化、喫煙などです。
これらの中で喫煙が最大の危険因子です。喫煙されている方はニコチンによる血管収縮作用により、歯肉が慢性的な血行不良を起こしています。
そのため、歯肉に酸素や栄養が欠乏します。また、細菌と戦ってくれる白血球が大幅に減少してしまいます。また、炎症があっても出血しにくくなっている場合もあり、気付きにくい傾向にあります。
喫煙者は喫煙未経験者の4倍の確率で歯周病にかかりやすく、本来の歯の寿命が10年短くなり、2倍多く抜けるとも言われています。歯周病の治療は、患者さん自身によるブラッシング、歯科医院での歯垢、歯石の除去により細菌を減らし、噛み合わせのずれがあれば調整を行うなど、マイナスの要素を取り除き、生体が治癒できる環境をつくるのが中心です。
しかし、喫煙されている方の歯肉は血行不良により治癒力が非常に乏しく、薬も効きにくいため、進行を止める事も難しいのです。長い間、喫煙によってダメージを受けた組織は禁煙をしても、元通りにはなりませんが、治癒力は少しずつですが、回復していきます。1日でも早くやめていただくことが大切です。
それが、何よりの治療になるのですから。「タバコが体に悪いのは分かっているんだけど・・・。」と、みなさんおっしゃいます。
しかし、「タバコの煙に含まれている有害物質で何をご存じですか?」とお聞きしても、ほとんどの方は、ニコチンとタールぐらいしか答えられません。
タバコの煙には、4000種類以上の化学物質、200種類以上の有害物質、70種類以上の発癌物質が含まれています。
例えば、ニコチンは致死量30~60㎎の猛毒です。本数にすると約2本分です。小さいお子様なら10~20㎎約0.5本分。ちなみに青酸カリの致死量は200㎎程度です。いかにニコチンが有害であるかわかりますね。
そのほか、一酸化炭素、これは、物が不完全燃焼すると発生する有毒ガスです。練炭自殺は一酸化炭素中毒ですね。ヒ素やナフタレンなどの殺虫剤の成分、和歌山カレー毒物事件でつかわれた毒物もヒ素でしたね。イタイイタイ病のカドミウム、ゴミの焼却で発生すると有名になったダイオキシン、つい先日利根川浄水場で検出されて問題になったホルムアルデヒドなどなど、いずれも猛毒です。
みなさん、ここで一つ、疑問に思いませんか、なぜ、タバコの葉っぱを紙にくるんで火をつけるだけで、そんなに多くの化学物質、有害物質、発癌物質が発生してしまうのか。それは、添加物が大きく関係しています。
タバコには、葉タバコに217種類、巻紙などの材料に133種類、合計で350種類もの添加物が、味や香り付け、乾燥を防ぐため、保存料などの目的で使われています。これらの添加物を含んだ葉タバコや巻紙を蒸し焼きにするため、化学物質が燃焼という化学反応を起こした結果、多くの有害物質が発生してしまうのです。
なお、吸っていないときに、先端から立ちのぼる副流煙は低温で不完全燃焼しているため、より多くの有害性があるのです。
「そんなに悪いものなら、売ってはいけないように法律で決めてくれればいいのに。そしたら止められるのだから。」という意見もよく耳にします。今現在、タバコは国が認めた合法的な嗜好品という位置付けがされています。国はタバコによって、年間1兆3000億円の税収を得ています。
また、日本のタバコ会社の株の半分以上は国が保有しており、その配当金として毎年、約270億円も得ているのが現状です。したがって、今後もタバコの問題が急速に進展することは、期待できないでしょう。「タバコは殺す。だまされるな。」これは、
WHOによる2000年の世界禁煙デーのスローガンです。
日本では年間20万人の方が、タバコ関連疾患で亡くなっています。気付いた人から止めていくしかないのです。日々の暮らしが10年後、20年後の自分をつくります。早めの生活改善が大切だと思います。

有難うございました。

知覚過敏について

FM  TARO 2012/8/21
担当 松本 文男

今日は知覚過敏についてお話します。

知覚過敏とは虫歯ではないのに歯が痛んだり、しみたりする状態のことを言います。水を含んだ時などに歯がズキっと痛んだ事はないでしょうか。それが知覚過敏です。今の季節のように冷たいものを口にする機会の多い時期や、水道の水が冷たくなる冬に多くあらわれます。冷たい飲み物でしみる場合が最も多いのですが、熱いものや、甘いもの、あるいは歯磨きの時にだけ痛む場合など様々です。一般に知覚過敏は歯に刺激が加わった時にだけ痛みを感じるもので、何も刺激が加わらない時には痛みません。そして痛みはごく短時間で、ほとんどは数秒、長くても1分以内に痛みは治まります。

知覚過敏が起こりやすい歯には、主に2つのタイプがあります。1つは歯肉が下がって歯の根が露出している場合で、これは主に歯周病が原因で起こります。もう1つは歯肉との境い目付近や、咬み合う部分の歯の表面がすり減って薄くなっている場合で、これは歯ぎしりや食いしばりなどの咬みグセや、歯ブラシを当てる力が強すぎる場合などに起こります。歯の表面はエナメル質と言う非常に硬い組織に覆われています。このエナメル質には痛みなどの感覚はありませんので、歯の表面が完全にエナメル質で覆われていれば知覚過敏はほとんど起こりません。しかし、歯がすり減ってエナメル質が薄くなったり、もともとエナメル質に覆われていない歯根が露出すると、刺激が歯の神経に伝わりやすくなり知覚過敏が起こるわけです。

知覚過敏は症状が軽く、冷たいものを含んだ時など、ごくたまにしみる程度であればあまり心配いりません。少し冷たいものを控えて様子をみてください。歯の汚れが良く落ちていない時にも知覚過敏に似た症状が出ることがありますので、丁寧に歯磨きする事も大切です。また市販の知覚過敏用の歯磨き剤の使用も効果的です。

しかし、しみたり痛んだりするのが頻繁になってきたり、苦痛に感じるようになったら注意が必要です。歯科医院で詳しく調べることをお勧めします。
知覚過敏の治療にあたっては、まず刺激が伝わりやすくなった原因を良く調べます。歯磨きの仕方に問題があって歯を傷つけている時には、磨き方の改善を図ります。歯ぎしりなどが疑われる時はその対処をします。

そして初期の場合は歯の表面に、知覚過敏を抑制させる薬を塗る処置が行われます。
歯が大きくすり減っている場合は、虫歯治療と同じように、詰め物をしてすり減った部分を修復し、刺激を伝わりにくくします。
そういった処置で歯に加わる刺激が軽減されますと、ほとんどの場合、徐々に知覚過敏はおさまってきます。
しかし十分な改善が得られない場合もあります。そんな時は最終的な手段として、歯の神経を取る処置を行います。歯の神経を取ると知覚過敏は完全に無くなりますが、神経を取る事による弊害もあり、他の方法で改善が見込めない場合にのみ行われます。

以上が知覚過敏の治療の概要ですが、ご自分で知覚過敏かと思っていても、実は虫歯があったということも良くあります。気になるときはどうぞお気軽に歯科医院にご相談下さい。