歯の冷凍保存

皆さんも臓器移植について新聞やテレビなどで聞いたことがあると思います。
歯科でもけがをしたり、通常残せないといわれる歯に対して歯をいったん抜いて外で治療して戻したり、歯がないところに必要性のない歯を移植したりする治療法が あります。
最近では凍結保存して戻すことも可能となっています。
この治療で重要となってくるのが歯の保存法です。
歯は乾燥した状態にすると戻しても骨に溶かされてなくなってしまいます。
歯が溶かされないようにするのに重要なのが歯根膜(歯の周りのクッション)です。 このクッションが歯を守るのです。
歯の移植再植は最も新しく最も古い治療法といわれ、紀元前にはすでに行われていたと いう記録があります。
しかしながら予後は良くなかったといわれています。
しかしながら医学の進歩とともに臓器保存液を用いて歯を長期間保存可能になり冷蔵で4日間ほど抜いたまま保存可能という研究がされています。
凍結保存の場合は何十年も可能です。
ただ凍結保存には多額の費用がかかり一般には使用されにくい状態となっています。
けがで歯が抜けたときの保存液は15年以上前にアメリカで販売され日本でも 最近になって国産の保存液が使用できるようになりました。
また凍結保存法は北欧で進んでおり、デンマークでは10年以上前から歯牙バンク (凍結保存)をおこなっております。
日本でもやっと広島大学で最近行えるようになりました。
将来、歯の治療も痛くなったらその日は抜いて、次の日に治療を終えた歯を戻して おしまいとなったり人工的に作られた歯に入れ替えるようになる日が近いと思います。
そう すればあのいやな音や長時間口をあけることもなくなりますね。